いきいき健口フェア in 徳島

昨日から泊まりがけで徳島にやって参りました。松山に比べても暖かな感じで、JR徳島駅前はちょっと南国風です。

当初の目的は、あわぎんホールで開催される日本内科学会四国地方会に参加することでした。が・・

同日に、徳島県歯科医師会が主催する「いきいき健口フェア」が開催されることを知り、内科学会もそこそこに、こちらへお邪魔することになりました。

最初は、歯と口の健康習慣に応募されたポスターや標語の最優秀賞表彰式。左端は、日本歯科医師会のマスコット”よ坊さん”の、阿波踊り版だそうです。

お待ちかねの講演、トップバッターは岡崎好秀先生。岡崎先生は、以前岡山大学病院の小児歯科に勤務されており、歯科の世界ではとても有名な方です。御著書も山ほどあり、私もお名前は存じ上げていましたが、講演を拝聴するのはこれが初めて。

はてさて、どんなお話が始まるのかな・・とワクワクしていたところ、冒頭に登場したのはこのスライドです。

マルコメ味噌の小坊主さんのように「可愛い笑顔でやってきた子供さんが、歯医者から帰って行く時は、みんなこんな泣き顔になる。どうして、子供達は恐れを抱き、泣いてしまうんでしょうね?」

なんと、このような歯科医としての反省のメッセージから講演は始まったのです。岡崎先生、只者ではありません。

その後も、聞いたことがないようなネタの連続で、思わず考えさせられることばかりでしたが、最後の旭山動物園のお話はショッキングでした。

岡崎先生は、動物が大好きな方ですが、旭山動物園元園長の小菅さんとも親交が深いそうです。お付き合いの中で発見された、ちょっと他では聞けないような面白く、かつ深いネタの数々が登場しましたが、その中からひとつだけご紹介しましょう。

この写真は、旭山動物園のお猿さんが餌を食べているシーンですが、今まで見てきたイメージといささか違いますね。画面全体に敷き詰められているのは、干し草でしょうか?もちろん、これは餌ではありません。実は、飼育係によって、餌は草の下に隠されているのだそうです!写真は、その餌を一生懸命探しているお猿さんの姿。

普通の動物園では、バケツで運ばれてきた餌に猿の軍団が群がるものですが、旭山動物園はそうではありません。野生猿と同じく、”餌を探す”ために日中の半分を費やすそうです。結果として、旭山動物園のお猿さんは、十分な運動がとれ、生き生きとした野生に近い姿を来園者に披露することになります。

この説明を聞いて、私は猛烈に感激しました。言われてみればごくごく当たり前の事。その当たり前の事実に気付き、かつ実行してきた旭山動物園の凄さ。また、その凄さに感銘し、講演を通じて全国に広められている、岡崎先生の偉大さ。

私達は”ついつい”便利さ、速さに溺れ、安きに流れます。お猿さんもそうですが、私達の子供も同じです。「今の大人達は、子供に好きなだけお菓子やファーストフードを与えている。それもすぐ手が届くところに。その姿は、まるでナマケモノのようだ。」このような警鐘メッセージで、講演は終わりました。

岡崎先生は、御自身のホームページ”ドクター岡崎のおもしろ歯学“で精力的に情報発信されていますので、是非ご覧ください。

続く講演は、先日書いた”歯科検診推進フォーラム“でもご紹介した、ためしてガッテン・元専任ディレクターの北折一さんです。今回改めて思ったのですが、北折さんは健康の智慧を人々に送り届ける、類い希な才能を持った教師ですから、今後は北折先生とお呼びします。

ためしてガッテンという番組が最も大切にしていたものは、「ついつい」を活用することにあったそうです。私達は、ついつい間食をしてしまいますし、ついついテレビの前に寝そべってしまいます。

この「ついつい」を悪い方にではなく、良い方向に活用することが、北折先生の究極の目標だとか。ついつい体重計に乗ってしまう、ついついウォーキングしてしまう、ついつい空腹感を楽しんでしまう・・。その極意が、今回も北折節で炸裂しました。

例えば、このような感じです。

人がダイエットに失敗する理由は?

だって、人間だもの

まるで、相田みつをのようですね。あるがままの自分を認め、どこに問題があるのか、まずは体重計に乗ることから始めよう。嫌々ではなく、楽しみながら。そして、”ついつい体重計に乗ってしまう自分”に変えて行こう。これが北折先生からのメッセージです。どちらかと言えば、私には”人間賛歌”に聞こえました。

最後の数分は、歯科医師会主催の講演会に合わせて、歯のお話になりました。すると、どこかで見た覚えのあるスライドが・・。

実は、数日前に北折先生から「先日の歯科検診推進フォーラムで使われていたスライドを拝借したい」というご連絡を頂いていたのです。写真は、私がメタボの権化から脱出した際のビフォアーアフターをスライドにしたものですが、”日本一、歯周病対策にうるさい糖尿病専門医“というメッセージが新たに書き加えられていました。

これって、喜んでいいのでしょうかね?いや、素直に嬉しかったのですが、ちょっと複雑です・・。

それまでは1日1回しか歯を磨いていなかったメタボの権化が、歯科医院に通い歯がきれいになることで、スマートになった。このお話が伝える、大切なことは何か?

それは「良い歯医者さんと付き合う」ことですよと、北折先生は結びます。お見事!

北折先生のホームページはこちらですが、スケジュールを拝見すると、全国を駆け回られている様子が分かります。

最後に、これは私がよく使うスライドですが、「上医は国を医(いや)し、中医は人を医し、下医は病を医す」という中国の箴言があります。

岡崎先生、北折先生がなさろうとしているのは、まさに”国を医す”ことであり、この意味でお二人とも”上医”でいらっしゃるのだなぁと。そのような敬意にひたることが出来る、素晴らしい講演会でした。