講演と執筆

歯科向け糖尿病解説書が登場!

このたび、医歯薬出版株式会社から私の新著が発刊されることになりました。題して「内科医から伝えたい 歯科医院に知ってほしい糖尿病のこと」。

歯科医院に知ってほしい糖尿病のこと

九州大学久山町研究によれば、我が国の糖尿病とその予備軍の数は4000万人にも達すると言われています。しかも、糖尿病は加齢と共に罹患率が上昇する疾患ですから、医科はもちろん、歯科の高齢化する外来においても糖尿病を抜きにして診療はできません。

本書は第Ⅰ編と第Ⅱ編から構成されていますが、前半では糖尿病について歯科スタッフが知っておくべきポイントを網羅しています。

  • 糖尿病とはいかなる病気なのか?
  • 血糖とは何なのか?
  • 真に健康な人の血糖値はいくらなのか?
  • なぜ尿糖は診断に使われないのか?
  • どのようにして糖尿病は診断されるのか?
  • 糖尿病の合併症とは何なのか?
  • 糖尿病患者は何が怖いのか?
  • 歯科医院で注意すべきことは何なのか?

これらについて分かりやすく、かつ簡潔にまとめました。第Ⅰ編の内容は歯科の方々だけでなく、医師・看護師・栄養士・検査技師・薬剤師・製薬メーカーのMRなど医科・薬科・製薬業界にとっても役立つはずです。なぜなら、本書に書かれていることは、他書中ではほとんど言及されていないからです。私自身がこれまで悩み、苦しみ、調べ、考え続けた末に辿り着いた最重要点のみをまとめたものなので、内容に関しては世界にただひとつと言い切る自信があります。ページ数は比較的少ないですが、お読み頂ければ、その中身の濃さに驚かれることでしょう。

さて、私の専門は糖尿病ですので、医科歯科連携について講演依頼を受けた場合、当然のことながら「歯周病と糖尿病」をテーマにお話してきました。しかし、この半年の間に私の興味の中心点は、糖尿病から口腔感染症へと、軸足を移しています。

現時点において、私は歯科医療最大の宝は「口腔感染制御による炎症消退」にあると考えています。もちろん、歯周治療により高血糖が改善する背景にも、この炎症消退が控えています。

しかしながら私が見る限り、歯科の方々はご自身の日々の仕事が、炎症消退を通して人々の全身を健やかさへと導いている事実に、あまり気づかれていないようです。

後半では、具体的な臨床症例や学術的な研究報告を通して、内科医の観点から捉えた「口腔感染制御の崇高性と重要性」について解説しています。

  • 歯周病と糖尿病は炎症を通して互いにつながり合う
  • 糖代謝異常を改善させる歯周治療の偉大なる力
  • 2016年は糖尿病領域における医科歯科連携の歴史的転換点
  • 口腔感染症が原因で命を落としかけた糖尿病患者の2症例
  • Fusobacterium感染症から口腔感染制御の重要性を学ぶ
  • 世界初の口腔子宮感染症による死産症例
  • 口腔子宮感染症は早産を引き起こす
  • 血の気も凍るLemierre症候群
  • 震災後肺炎を通して口腔ケア音痴民族を覚醒させる

詳細については、こちらの チラシ(PDF) をご覧ください。

本書は、日本アンチエイジング歯科学会 会長である松尾通先生と、同会常任理事である坂本紗有見先生のご尽力により、誕生しました。私の講演を聴かれたお二人が、一人でも多くの歯科医療従事者にこの気付きを伝えるべきだと、企画してくださったのです。

お二人からのご紹介により、2016年9月、広島市で開催された日本歯科衛生学会の会場で、医歯薬出版の方々にお会いしました。書籍の企画は社内で採択されたものの、私の遅筆により、編集部の皆様と二人の先生方にはご心配をおかけしてしまいました。この場を借りて、深くお詫び申し上げます。

幸い、本書を担当してくださった第二編集部の敏腕女性編集者、増田さんの編集力により、驚くべきスピードで完成。最後の二人三脚は、苦しくも楽しい道のりでしたが、生涯忘れることはないでしょう。

これまでに頂いた幾多のご縁、そしてこれからのご縁に感謝致します。

平成29年6月20日 著者 記す