日本プライマリケア連合学会 近畿地方会ランチョンセミナーにて

11月25日、京都にて日本プライマリケア連合学会・第26回近畿地方会が開催されました。”ランチョンセミナー”という言葉は、一般の方には馴染みが少ないと思いますが、学会のお昼休みを使って開催されるセミナーのことを指します。

学会中は、一度に大勢の人達が昼食を取りますので、飲食店探しに苦労します。そこで、企業が”お弁当つきの講演会”を共催する訳です。ランチョンセミナーでは、聴衆がお弁当をつまみながら、講演に聴き入っているという、一風変わった光景を目にすることができます。

今回の共催メーカーは、サンスター株式会社さんでしたが、愛媛県歯科医師会との共同研究をご存じであった、サンスター病者サービス新規開発プロジェクトの高世さんからのご紹介で、京都府歯科医師会南支部支部長の徳地正純先生が、私を講師として招いてくださいました。

当日、司会役(座長)を務めてくださったのは、同支部副支部長の上田賢先生です。

ちなみに、サンスター株式会社は糖尿病にも力を入れており、”糖尿病とうまくつきあう“という、患者さん向けのホームページも運営されています。

開演前の会場の様子です。よく見ると、皆さんお弁当を広げておられる様子が分かります。おかげさまで、講演が終わる頃にはほぼ満席の状態となっていました。

講演タイトルは「糖尿病診療における地域レベルでの歯科医科連携の重要性」と、やや堅苦しいものとなってしまいましたが、

  • 内科医から捉えた口腔の重要性
  • 糖尿病診療において、なぜ口腔の状態を気遣う必要があるのか?
  • 慢性歯周炎(歯周病)と糖尿病は、”炎症”を介して通じ合った病態であること
  • 歯科治療の恩恵は、口腔だけでなく、全身にもたらされること
  • 愛媛県歯科医師会の先生方と共同で行った研究成果

などを講演の中でご紹介しました。この学会はプライマリケアだけあり、講演終了後は歯科はもちろん、脳外科や産婦人科など、様々な分野の先生方から活発なご意見を頂き、私自身にとっても大きな刺激と励みになりました。当日は、愛媛県歯科医師会の原瀬先生も参加され、質疑応答コーナーで愛媛の実情も紹介されました。「多様な職種の出会いが、新しき芽生えを産む」というのが、私の持論ですが、今回のセミナーではまさにこのことを実感することができました。

セミナー前日には、徳地先生主催の意見交換会を開いて頂いたのですが、京都府歯科医師会各支部長の先生方や、府会長である平塚先生との、何とも言えない暖かなやり取りが印象的でした。多くの医療組織においては、”上意下達”が支配的ですが、京都府歯科医師会においては全く逆で、”下意上達”。

とある支部長の先生が、平塚先生に向かい「うちの支部は○○○の分野で、府を超えてみせます!」と啖呵を切られ、私は思わず目が点に。しかし、平塚先生は涼しい顔で”その意気や良し”とニコニコしておられます。「互いに認め合い、互いに敬う」、横で拝見していて、とても勉強になりました。

ランチョンセミナーが無事終わると、せっかくの京都。しかも紅葉真っ盛りですから、東寺に足を伸ばしてみました。このお寺を訪れるのは、修学旅行以来でしょうか?

千二百年にわたる、悠久の時を旅してきた大伽藍が、都会の喧噪の中に鎮座しているというのも不思議な光景ですが、一歩踏み入れると・・

やはり空気感が違います。弘法大師は、嵯峨天皇から下賜されたこの寺を一体どのような思いで運営し、独自の立体曼荼羅を構築したのか?境内を巡りながら、しばし平安の世へのタイムスリップを楽しみました。

東寺の講堂には、仏像の中で私が一番好きな菩薩様がいらっしゃいます。昨年、東京で開催された”空海と密教美術展”にも出展されており、今回の”逢瀬”を内心楽しみにしていたのですが、暗いお堂の中では、そのお姿を十分に拝見することができず誠に残念・・。

最後に、水面(みなも)に映り込んだ美しい紅葉を愛でつつ、東寺を後にしました。

2012.12.19 追記

本ブログをご覧になった、サンスター株式会社の高世さんから、素晴らしい写真が届きました(同社の若手スタッフさんが激写)。私達が京都を離れたその夜、なんと東寺は世界糖尿病デーにちなみ、ブルーにライトアップされたのだそうです。

赤い紅葉の向こうに、青紫に染まった東寺。空まで届きそうなライトと相まって、幻想的かつ未来的な、不思議な光景に仕上がっています。本物をこの目で見れなかったのが残念ですが、弘法大師がこのシーンをご覧になったら、どんな漢詩を詠まれたことでしょうか?