世界糖尿病デー in Asouda & 体が喜ぶ食事会
11月14日、クリニック横のペルラにて「第2回 健幸講話と体が喜ぶ食事会」を開催しました。今回は、世界糖尿病デーを記念して、会場にイメージカラーであるブルーを散りばめています。インスリンの発見者、バンチング先生の記念写真が入った、ウェルカムボードで皆さんをお出迎えします。
会は19時スタートですが、皆さん早めに来場して頂き、テーブルで待機中。奥に見えるのは、今回のために用意したブルーのバルーンです。素敵な女性のお三方は、立派な着物姿で来場して頂きました。一足早く、お正月がやってきたように、会場が華やいでいます。
こちらは、紅葉を使った秋らしいディスプレイです。テーブル前に立てかけてある棒は、ノルディックウォーキング用のポール。当院では、このたび新たに”歩き方教室”を始めました。ただ漫然と歩くだけでは、せっかくのウォーキングも意味がありません。ノルディック方式の歩き方をするだけで、心拍数は簡単にアップし、エネルギー消費は飛躍的に上がります。何より、手を使った”4足歩行”は楽しいのです。興味のある方は、是非当院でお尋ねください。10分の練習で、病み付きになること、請け合いです。
会場の片隅には、大洲から届けられた加藤旬菜畑さんのおいしい野菜が、お洒落に並べられています。人参、大根、キャベツ、大根、里芋、どれもずっしりと重く、色艶が違います。葉っぱも、それはそれは見事なもので、食べると甘みが口に広がるほどです。今回は、質問コーナーやクイズコーナーの景品としてご用意しました。
19時より、健幸講話がスタート。これまでの栄養指導は”あれもダメ、これもダメ”という、否定からはじまっていたように私は思います。子供と同じように、大人であっても、頭ごなしの否定は受け容れがたいものでしょう。糖尿病の方々が食べて悪いものは、ひとつもありません。食べる量と、その内容が大切なのです。
にしだわたる糖尿病内科は、食べ過ぎを抑えるためには、「頭が喜ぶ食事ではなく、体が喜ぶ食事」が必要と考えます。手間暇かけて育てられた、葉っぱまでおいしく頂けるような旬の野菜、食材の命を生かしながら丹精込めて作り上げられた料理、これらが私達の体を心底喜ばせてくれるのではないでしょうか?
歯応えのある野菜をしっかりと噛み、本当においしい料理を少しずつ時間をかけて頂けば、いつの間にか心も満足し、人は箸を置くものです。そのようなお話を20分ほどさせて頂きました。最後に、全員で「いただきます!」と唱和して、いよいよ食事会のスタートです。
あまりにもペルラ総料理長・坂上シェフのメニューが多いので、すべてをご覧頂けないのが残念なのですが、いくつかご紹介します。まず、おいしい野菜の数数。目を引くのは、色とりどりのお芋さん。黄色いお芋、紫のお芋、いずれも蒸すことで、より甘みが深まっています。口に入れると、ドレッシングも必要ないほどの、滋味が広がります。まるごとの小さな人参も、絶品でした。色の良いレタスも美味。野菜コーナーは赤や緑、紫など自然の美しい色合いに溢れ、まるでキャンバスのよう。お皿への盛りつけも、絵を描くような楽しさでした。
こちらは、坂上シェフお得意の「手まり寿司」。見た目もかわいらしく、食感もヘルシーで、女性に大人気でした。
右側は、れんこん入りの和風ソースがかかった、ひじきと切り干し大根、きくらげ入りのハンバーグです。皆さん、この蓮根の”照り”を見て下さい。ハンバーグと蓮根という、異色の取り合わせですが、これまた合うんです!左は、かわいらしい琺瑯鍋に入った、スープふた品。
最後にご紹介するのは、栗のクリームスープへの人参のロワイヤル(洋風卵豆腐)のせ。特に、にんじんの卵豆腐は絶品で、薄味の中で人参本来の甘み、香りが広がります。もう、これは食べて頂かないことには、言葉では表現できません!味わってみたい方は、是非ペルラまでお越し下さい。
料理の合間には、松田認定看護師による感想&質問コーナーが繰り広げられました。テーブルごとにマイクを向け、それぞれに一言メッセージを頂きましたが、どなたも「おいしい!」の連発。そこで、急遽ペルラの坂上総料理長にご登場頂きました。会場からは、「野菜の蒸し加減はどうやって判断すれば良いのか?」、「玉葱はどうすればおいしく食べることができるのか?」など、具体的な質問が次々と飛びだします。ひとつひとつの質問に、プロの視点から丁寧に答えて頂き、一同は「なるほど」と納得することしきりでした。
続いて、当院の検査技師デュオによる糖尿病クイズコーナーです。前日から悩みながら、三問を用意しました。全問正解者には、もれなく野菜プレゼントつき。
マイクを握って一声頂いた方、クイズ全問正解の皆様には、それぞれお好きな野菜をプレゼント。皆さん、スーパーでは見たこともないような新鮮なお野菜を手にして、御満悦です。是非、ご自宅で生で召し上がり、野菜本来の風味と甘みを感じ取ってみてください。
あっという間に2時間が過ぎ、おひらきの時間が近づきます。テーブルには写真のような、メッセージカードが配られています。右下に見えるのは、木工ボンドで固定した花の種です。空に舞い上がったバルーンが地面に舞い降りたとき、運が良ければこの種は目を出し、来年には青い花を咲かせることでしょう。私は「皆様が健幸でありますように」と、メッセージを添えました。
テーブルでは、皆さん真剣にメッセージを書き込み、バルーンへくくり付けています。風船を手にするなど、○十年ぶりのことでしょうか?皆さん、童心に返って楽しまれているようでした。ちなみにこのバルーンは、土に帰る特殊なゴムで出来ていますので、自然破壊の心配はありません。
準備が整い終わると、全員で芝生の庭へ出て、バルーン片手にブルーサークルを形作りました。最後に、「より健やかに、より幸せでありますように」と願いを込めながら、「健幸!」という全員の掛け声で、一斉にバルーンを夜空に向かい放ちました。何とも言えない美しい風景で、皆さんと一緒に風船の旅立ちを見送ります。後には、不思議な余韻が残りました。
以上で、すべてのプログラムは終了ですが、希望者には隣のクリニックで血糖測定を実施しました。和服姿の女性陣も参加して頂き、クリニックも華やいでいます。食後でしたが、皆さん血糖値は大丈夫だったようです。
第一回の食事はコースメニューでしたが、今回は坂上シェフの新作メニューによるビュッフェ形式となり、また違った味わいがありました。野菜サラダが取り放題だったこともあり、皆さん顎が疲れるほど”咀嚼”されたことと思います。昔の日本人は、しっかりと「噛んで」いたものですが、今の日本で流行っている食べ物は、ファーストフードを筆頭として、「噛まずに飲み込める」ものばかりです。体が喜ぶ食事会を通して、皆様と共に、日本人本来の食生活を見つめ直していきたいと考えています。
幸い、第1回、第2回ともにご好評を得ることができましたので、第3回も企画する予定です。参加頂いた皆様、無理難題を持ちかけたにも関わらず、見事にこの企画を実現してくださった、ペルラスタッフの皆さんに、この場を借りて、御礼申し上げます。
西田 亙