日本歯科医学会総会に参加してきました
11月11日金曜日の朝から、大阪で開催される第22回 日本歯科医学会総会に参加してきました。タイトルの通り、この学会は歯科医師や歯科衛生士など、歯科医療従事者が参加されるもので、本来内科医がお邪魔するところではありません。今回は、愛媛大学時代に行った愛媛県歯科医師会の先生方との共同研究の成果発表ということで、同伴させて頂くこととなりました。本学会は通常とはことなり、4年に1回だけ開催されるそうですから、さしずめ”歯科医学のオリンピック”と言ったところでしょうか。
伊丹空港から、大阪南港にあるインテックス大阪という会議場に移動。何やら、ロールケーキのような建物の前で、早速記念撮影。幸い、お天気にも恵まれました。
到着するやいなや、スタッフ全員でポスターセッションの準備にかかります。あらかじめ準備した大きな原稿を”老いも若きも”総出で張り出し。大学時代、こういう仕事は若い先生達の役回りでしたが、歯科医師会の先生方のチームワークの良さには脱帽です。ポスター発表は西田圭先生が担当されます。
ところで、写真上の「全身との関わり」という文字に気づかれたでしょうか?総会のテーマでもあるこの言葉は、歯周病(慢性歯周炎)が、ただ単に口腔に留まる病気ではなく、全身へ影響を及ぼす存在であることを示しています。今回の発表は、歯周病が全身の血糖値に及ぼす影響を明らかにした点が、評価されたのでしょう。
ポスターセッションの準備が終わると、今度は午後から開催されるテーブルクリニックの設営です。これは、私も初めての経験でしたが、与えられた1時間の枠の中で、プレゼンテーションはもちろん、実演なども含め、自由に行えるというユニークな形式です。高い天井と無機質なコンクリートの壁が、何やら”リング”を彷彿とさせます。テーブルクリニックは石川晋先生が担当し、なんと14時から1時間おきに”三連ちゃん”という強行軍。
「石川先生、明日は大丈夫でしょうか?」という不安を余所に、夕方になるとホテル近くの串焼き屋さんで、一同おいしい料理を堪能したのでありました。
翌土曜日は、再び朝からインテックス大阪へ移動。お昼から、ポスターセッションの質疑応答が始まります。ポスター横で、西田圭先生が質問に的確に答えます。
14時からは、いよいよ三縦のテーブルクリニック開演です。石川晋先生が、一人でイントロダクション・血糖測定の実演・研究成果発表と続けます。この発表のために、わざわざ熊本から駆けつけてくださった先生方もいらっしゃいました。思い返せば今から4年前、まったくの白紙からスタートしたこの共同研究プロジェクト。日本中から注目されることになるとは、一体誰が予想できたでしょうか?感無量の思いですが、この仕事を支えてこられたのは、原瀬忠広先生を筆頭とする、愛媛県歯科医師会・学術委員会の先生方、その活動を裏で支えてきた学術担当事務の方々、そして最初からエールを送り続けてくださった清水惠太会長です。
さて、発表の合間に、併設されている日本デンタルショーにもお邪魔してきました。循環器学会や糖尿病学会でも展示会場は併設されるのですが、生まれて初めて見るデンタルショーには、度肝を抜かれました。規模の大きさ、ディスプレイの素晴らしさ、いずれも比較になりません。特にディスプレイは、素人目に見ても相当のお金がかかっており、ライティングもお洒落。まるで輸入車ショーのようで、時が立つのも忘れて会場を彷徨ってしまいました。「所変われば品変わる」とは、まさしくこの事でしょう。
広い4つの会場を渡り歩きましたが、内科の私でも使えそうな面白い検査機器や試薬を発見。ポスター会場でも、とある先生から目から鱗の研究成果を聴かせて頂き、大興奮。早速名刺をお渡しして、論文一式を送って頂くようにお願いしました。このような新しい出会いの機会を与えてくださった、愛媛県歯科医師会の先生方に篤く御礼申し上げます。
最後に、皆様お疲れ様でした。4年後の再登板を目指して頑張りましょう。
西田 亙