桜始めて開く

七十二候では、今日が”桜始めて開く”にあたりますが、このところの陽気に誘われ、桜は既にあちこちで開花しています。

こちらは、先週末に研究会で東京を訪れた時のスナップ。白金台にある八芳園という結婚式場ですが、ライトアップされた夜桜の幻想的な美しさと、大都会の夜景が、不思議な一体感を醸し出しています。

クリニックの正面に位置している朝生田公園も、八芳園には負けていません。咲き誇った桜の下で、子供達が元気に遊び回っている姿をみていると、こちらの心まで癒やされます。

この写真では捉え切れていませんが、私は晴天の桜よりも、曇天、それも小雨に打たれる桜の色合いが、たまらなく好きです。春雨は無情にも花びらを散らせるように見えますが、その一方で桜はさらに匂い立ち、艶やかな色合いを深めます。

朝生田公園を目にしながら、”桜雨”という言の葉を持つ、この国の自然と感性を誇らしく思うのです。

臨床検査ガイド 2013〜2014:HbA1cの解説

文光堂が出版する”臨床検査ガイド“は、医療技術者向けに様々な検査方法を、1000ページ以上のボリュームで解説している専門書です。

これまで、数年に一度は改訂されてきた医学書界のベストセラーですが、私は前回の改訂時からグリコヘモグロビンA1c (HbA1c)の項目を担当させて頂いており、このたび発売された最新版(2013〜2014年版)のために、加筆修正を行いました。

血糖値は、お腹がすけば下がりますし、ご飯を食べれば上がりますから、食事の影響を大きく受けてしまうという、致命的な弱点があります。このため糖尿病外来では、血糖値の変動を平均して数値化する”血糖の物差し“として、グリコヘモグロビンが使われています。

ヘモグロビンは私達の赤血球中に存在する酸素の運び屋ですが、血糖が高いとヘモグロビンの一部が変性し、糖化ヘモグロビン(グリコヘモグロビン)に変化します。ヘモグロビン全体の中で、糖化ヘモグロビンが占める割合が、HbA1c (単位は%)であり、過去2〜3ヵ月の血糖値を平均した指標とされています。

HbA1cは、日本だけでなく世界中で利用されていますが、測定方法が地域によって、バラバラであるという問題がありました。

日本は、これまでJDSという方法を用い、HbA1cを高精度で測定していましたが、米国はNGSPと呼ばれる方法で計測しており、両者の間には約0.4%の差が存在しています。

昨年から、HbA1cの値が0.4%高くなった理由は、JDSをNGSPに合わせるためですが、どうして両者の間に0.4%の差が存在するのでしょうか?日本の検査精度が悪いのか、はたまた米国の測定方法に問題があるのか。5ページという限られたスペースでしたが、歴史背景まで含め、その理由を解説しました。

草木萌動

“お椿さん”が終わった後も寒い日々が続いていましたが、急に気温が上がり、今日はまるで小春日和のようです。

普通のカレンダーでは、2月28日は「2月の終わり」に過ぎませんが、旧暦は、今日が七十二候の「草木萌動」にあたることを教えてくれます。

萌えの字は、訓読みで”きざし”。草木の芽生えを意味しています。草木萌動は、「そうもく、きざしうごく」と読み、”陽気に誘われ、草木が芽を吹き始める”時節を意味しているのです。

ということで、早速カメラをもって外に出てみました。これはクリニックのエントランスで皆様をお迎えしてくれている木々ですが、ぱっと見は、冬枯れしているだけのように見えます。

でも、近づいてよく見てみると・・・

枝の先々に膨らみはじめた蕾がみられ、一部はすでに芽吹いていました!

まさしく、先日書いた「冬天暖景」の通り。寒い冬の季節の間、お日様の光をしっかり受け止めながら、春の芽吹きを待っていたのですね。

糖尿病ケア 糖尿病食事療法まるごとガイド

糖尿病ケアという、糖尿病療養指導士向けの専門雑誌がありますが、このたび春季増刊号として「糖尿病食事療法まるごとガイド」が発刊されました。

本書の中には「糖尿病以外の疾患をもつ患者さんへの指導」と題する章があり、私はこの中の”肥満がある2型糖尿病患者さん“と”肥満がある1型糖尿病患者さん“の執筆を担当させて頂きました。

それぞれ6ページと7ページを割き、2型糖尿病と1型糖尿病の背景にある病態を踏まえながら、指導にあたり留意すべきポイントをご紹介しています。

私が日頃の診察で最も大切にしていることのひとつは「共感」ですが、このためには訴えのひとつひとつに対して、「そこには理由がある」と捉える姿勢が不可欠です。

血糖値が上がる背景には、単なる食べ過ぎだけでなく、遺伝的な素因、精神的なストレス、様々な問題が隠されています。また、1型糖尿病の患者さんで、命に関わるような重症の低血糖が起きるのは、なぜなのか?

今回の記事には、これらの問いをプロフェッショナルとして受け容れ、答えるために必須となる知識を添えたつもりです。

こねっと通信に妊娠糖尿病のお話を寄稿しました

NPO法人子育てネットワークが発行されている、”こねっと通信“という会報誌があります。年4回、愛媛県内の若手ママに向けて、一万部を無料で配布されているそうです。

会報誌の中に「あなたのまちのお医者さん」というコーナーがあるのですが、昨年発行されたリビング松山の記事をご覧になった、事務局の方からご依頼を受け、2月20日号(Vol.54)に私の寄稿記事、”妊娠糖尿病にならないために“が掲載されました。

実は、妊娠糖尿病は糖尿病ではありません。「え、どういうこと?」と思われた方は、是非この記事をご覧になってください。バックナンバーの入手方法は、こちらに掲載されています。